京都府自動車整備振興会さまインタビュー

京都府自動車整備振興会と共同で自動車整備工場さまへデジタルメディアを活用した法規制化の周知方法を検討開始

ビズピットは、自動車整備業界に携わる方のさまざまなお困り事を解決しています。
今回は、京都府自動車整備振興会の片岡さまにお話をうかがいました。片岡さまは情報・広報課の課長として、会員企業に向けて自動車整備事業に関係する法制度改正などを周知する役割を担っています。会員企業に対して効果的に広報活動を行いたいという悩みがあり、ビズピットへご相談いただきました。
ビズピットでは、会員企業がより多くの記事を見ていただき、周知した内容を後で振り返ることができるような施策を提案しました。文書や新聞などの紙媒体とウェブサイトやX(Twitter)などのデジタルメディアを複合的に活用するもので、この施策を採用いただきました。
本記事では、自動車整備業界に関わる方の悩みを解決する、ビズピットのサービスについて紹介します。広報活動に関する解決策のご提案について、片岡さまのお話をお聞きしながら紹介していきます。

(聞き手:ビズピット株式会社 小野)

目次

自動車整備業界に山積する経営課題

京都府自動車整備振興会・片岡氏

小野:改めまして、京都府自動車整備振興会さまの会員企業の方々は、どんなことに悩まれているのでしょうか。

片岡様:今は人材不足、自動車整備士の人材確保の問題が大きく、特に若い世代の確保が課題ですね。この先数年で、団塊の世代の方たちは引退していく一方で、若い世代の方で自動車整備士になろうという人が少なくなっています。自動車整備士全体の数は右肩下がりでずっと減り続けています。それが一番大きな課題ですね。

他の課題として、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応があります。たとえば、2023年の1月からは、車検証の電子化が始まりました。それをもとに記録等事務委託制度が始まり、指定整備事業者で車検証の更新ができるという制度が始まりましたので、それにも対応しなければいけません。

これまでやっていた仕事で忙しいのに、手続きのデジタル化にも対応しなければいけなくなってきたという状況です。

小野:人手不足のなか、自動車整備士などの従業員が対応するべきことが増えてきたのですね。

片岡様:さらに、2050年にCO2の排出量を実質0にするカーボンニュートラルという大きな国際的な目標が打ち出され、EUでは法改正が進んで、販売する新車を全てEVにしようとしています(その後、合成燃料の使用によるエンジン車の販売継続を容認)。海外のメーカーがそれに従うと、日本もかならずその影響を受けることになります。自動車に関するさまざまなことが激変していますね。

自動車整備業界の課題をどのように解決するか

自動車整備業界の主な経営課題として、以下の2点が挙げられます。

①人材確保、特に若い世代の従業員
②デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応

この2点の本質的な課題を考察すると、以下の2点になると推測されます。

①自動車整備業務に対するイメージ:空調も休みもない中、油まみれになって、安価な給料で働いている
②自動車整備業界の高齢化:紙というアナログな媒体に慣れ親しんできた世代が経営者であることが多く、デジタルデータの取扱いに心理的ハードルがある

これらの課題を解決する施策として、事業承継によるデジタルトランスフォーメーション(DX)が考えられます。

30~40代程度の、事業を一通り経験した従業員や社外の専門家へ、事業運営を徐々に継承していきます。そうした人員がITを活用した事業運営、つまりデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることで、機械ができる仕事は機械に任せ、従業員の労働時間は減り、入庫が増えることで売上も増え、増えた利益を空調などの設備や従業員のに還元できます。当初の課題であった人材確保を、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって解決できることが見込まれます。

事業承継やデジタルトランスフォーメーション(DX)の具体的な施策は別記事にて記載しますのでご期待ください。

自動車整備業界の課題に対する、京都府自動車整備振興会の活動と悩み

小野:自動車整備業界が変化に対応していけるのかどうか、大きな課題ですね。それに対して、京都府自動車整備振興会さまはどのような取り組みをされていますか。

片岡様:自動車整備士への研修は、毎年新しい内容に更新して充実させています。毎年、新しい機構について教育担当職員がメーカーに勉強しに行き、その内容を整備主任者技術研修という、夏に行う研修でアウトプットしています。

それ以外にも、電子制御装置整備に対する「特定整備認証」という新たな認証に対して、会員事業所の認証取得申請のお手伝いや指導をしています。京都府は、指定整備工場における特定整備認証の取得はほとんど完了しており、全国的に見ても高い水準で進んでいます。認証を受けるための猶予期間があと1年ほどありますので、これから認証を受ける事業者を拾い上げていこうと思います。

小野:人材の確保に関してはいかがでしょうか。

片岡様:課ごとにそれぞれできることはやっているのですが、人材確保に関しては進んでいないのが現状です。国でも人材確保の取り組みは進めていて、例えば高校生の社会科の授業で整備工場へ見学に行くなどの取り組みを文科省と話し合って実施していますが、効果がすぐに出てくるかというと、まったく別の話ですね。自動車整備士はたくさんある就職先の選択肢の一つでしかないので、若い人に選んでもらえるかといえば難しいだろうと思っています。今の時代、YouTuberになりたいという人が多くいる中で、「自動車整備士になりませんか?」といっても難しいのかもしれません。

国は自動車整備士の給与を上げていこうとしており、大手メーカーもそれに賛同しています。ただし、それだけで簡単に給料が上がるわけではないので、楽観視できる要素がありません。

小野:国がやるべきこともありますが、我々のような民間企業にも何かできることがあると考えています。ビズピットは多くのパートナーと連携しており、様々なお困り事に対して柔軟に対応できますし、小回りもきくため自由に動ける会社ですので、ぜひご活用ください。(笑)

片岡様:ビズピットさんがほぼ隔週で配信されているブログやメルマガなど、自動車整備業界に関するコンテンツをたくさん用意して、いつでも見てもらえるように準備しておくのも大事なことですね。公開されている情報が多くなってくると、流れも変わってくると思います。

小野:私自身、元々自動車整備業界のど真ん中にいたわけではなく、自動車部品メーカーや自動車メーカーで用品を開発していた立場でした。ですので、自動車整備業界の中にいる人から見ると、少し違った切り口のご提案ができるかもしれません。ブログで自動車整備業界の運営などに関して発信していますので、そこに使えそうな考えがあればよいですね。知りたい情報がないと思われた方のためにブログ内容に関する要望もお問合せから受けていますので、ご活用ください。

京都府自動車整備振興会とデジタルトランスフォーメーション

冒頭で課題にあがったデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応に関して、まずは会員企業さまのデジタルに対する抵抗を和らげるため、デジタルメディアに触れる機会を増やそうという意向が感じられました。

京都府自動車整備振興会のデジタルメディアを活用した広報に関しては4章をご確認ください。

他県の自動車整備振興会でも同様の取り組みがなされると推測され、またそのメディアの中には法制度の変更など、有用な情報が記載されると予想されます。ビズピットのブログやメルマガと併せて定期的にご確認ください。

ビズピットのサービスで情報発信の悩みを解決

ビズピットをお知りになった経緯は何だったのでしょうか。

片岡様:自動車整備業界の将来予測を調べているときに、御社のホワイトペーパーをダウンロードしたのがきっかけです。それで、次に連絡を取ったときにお伺いしたのは研修についてでしたね。コロナ禍のなか、会員企業に情報を伝えていくために何ができるか相談させていただきました。

小野:振興会さんはご自身のメディアを複数お持ちです。ですので、そこに掲載された情報を後から見返せるような資産として、いろいろなメディアを統合して効率よく見られるようにすることを提案させていただきました。弊社の提案を採用していただいた決め手は、どんなことだったのでしょうか。

片岡様:業界団体の中にいると、現場や社会情勢について、とても狭い範囲でしかものが見られなくなってしまうと感じています。自分たちだけでは俯瞰的な視点を持つのが難しいと思っていまして、そういった視点をビズピットさんにご指摘いただきたいと考えたからですね。それをきっかけに、私どもも広い視点を持てたらよいですし、できあがったものをお互いに共有して広げていけたらなと思っています。

小野:そこはビズピットが特にお役に立てそうな部分ですね。

今回ご提案したサービスの概要

お話を伺っているなかで、京都府自動車整備振興会さまが感じられている課題が見えてきました。特に大きな課題は、人材不足とデジタルへの抵抗感です。こうした聞き取りを踏まえて、ビズピットでは京都府自動車整備振興会さまに対し、以下のような提案を行いました。

京都府自動車整備振興会さまは、情報発信媒体として業界新聞の占有ページ、ウェブサイト、ブログ、X(Twitter)というメディアを持っています。こうした複数のメディアの運用に関して、より会員を支援するための施策をビズピットから提案しました。

さらに、講演会やYouTubeでの配信、冊子の作成によって、1年間にわたる情報発信をまとめて見られるような提案を行いました。これによって、リアルタイムで見られなかった会員も、後から見返すことができるようになります。

今回の提案は、以下の4つの観点から行いました。

①統合性
複数のメディアで内容の統一をはかることで、メディアの統合性を高めています。

会報誌→振興会ブログ&X(Twitter)→講演→冊子という流れで情報を公開し、それぞれ同じコンテンツを使用します。京都府自動車整備振興会では、さまざまなメディアを保有していますので、これらを活用します。それぞれメインとなる読者層は異なりますが、内容は統一されているため、必要な情報を幅広い方に届けられるようになります。

②効率性
短期間で効果を出すため、京都府自動車整備振興会が既に保有している会員向けメディアを活用します。

人材不足が叫ばれるなか、車検証の電子化などの新しい制度に対応していかなければなりません。これに対応していくためには効率の良い仕事が求められます。そこで、京都府自動車整備振興会の資産を活かして効率的に記事を掲載できる仕組みを考えました。

③継続性
情報を定期的に発信することを目的として、3か月に1回、会員へ案内します。

聞き取りから、デジタルトランスフォーメーションの前段階として、まずはデジタルへ慣れることが必要だと感じられました。デジタルメディアを通して情報を継続して発信することで、抵抗感を取り除く狙いがあります。

④資産性
発信した情報を後から活用できるようにします。具体的には、ブログ掲載、冊子、Youtubeとしてまとめて形に残します。

公開されている情報が多くなったことで自動車整備士を志す人が増え、その結果自動車整備業界全体が盛り上がるきっかけになるかもしれません。情報を資産ととらえ、後から見返すことができるように残していきます。

施策/時期2023年2023-2024年備考
2月5月8月11月2月
会報誌車検証電子化記録等事務代行制度特定整備OBD車検ビズピットのブログを小アップデートしたものを掲載
ブログ同上同上同上同上会報誌の1か月後に掲載
X(Twitter)同上同上同上同上ブログの内容を投稿
講演まとめ対面&WEBで実施
YouTube同上講演を録画して公開
冊子同上会報誌の内容をまとめる

まとめ

ビズピットのブログやメルマガでは、自動車整備業界で必要だと思われるテーマを発信しています。ビズピットの企業サイトにはDX化を進めるためのITの活用から、カーボンニュートラルやSDGsなどの大きな社会課題への対応案まで、自動車整備事業者に役立つ情報を記載しています。

今回の取材のように、抽象的なテーマについてお困りの方や、業界団体さまからの講演(セミナー)のご相談もお受けしています。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

その他にも詳細な情報が掲載されているホワイトペーパーを公開しております。ぜひご覧ください。

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第一弾「自動車整備業界の未来 現状と今後の展望への対応について」
第二弾「自動車整備業界のDX 手間をかけずに利益を増やすITの活用」

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