自動車整備事業者も実施すべきSNSマーケティングとは?

SNSの普及に伴い、急速に拡大しているマーケティング手法が「SNSマーケティング」です。SNSは若者向けのITツールというイメージがありましたが、最近では高齢世代でもSNSの利用者は増加しています。今やマーケティングを行う上で、SNSは必要不可欠なITツールになっています。

もちろん、SNSマーケティングの必要性は、自動車整備事業者も例外ではありません。今回は、SNSマーケティングのメリットやデメリット、自動車整備事業者がSNSマーケティングを実施する際のポイントなどについて解説します。これからSNSマーケティングを活用していきたいという自動車整備事業者の方は、実施する際の参考にしてみてください。

目次

SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとは、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなど、ユーザー数の多いSNSを活用して効率的に情報を発信し、顧客を獲得するデジタルマーケティングの手法です。

SNSサービスは、発信した情報の拡散力が高いとされています。ビジネスとの相性は抜群であり、SNSは現代のマーケティングにおいて必要不可欠なITツールだといえます。

SNSマーケティングは、飲食店など一部の業界でしか効果が発揮できないイメージがあるかもしれませんが、自動車整備事業者でも大きな効果を上げられます。自動車を整備したいユーザーに、自社で自動車整備をすることのメリットなどを、SNSマーケティングの手法を通じて発信することで、新規の入庫やリピート率の向上にもつなげることができます。

このように、SNSマーケティングは自動車整備事業者においても非常に重要なマーケティング手法であるといえます。

SNSマーケティングが重要視されている理由

近年、SNSマーケティングはますます重要視されています。ここでは、SNSマーケティングが重要視されている3つの理由について、一つずつ見ていきましょう。

SNSの利用率が高まっている

SNSの利用率は年々高まっており、若者だけでなく全世代に、SNSマーケティングの手法は効果があるといえます。

2022年に総務省が発表した「令和3年通信利用動向調査」によると、調査対象となった6〜80歳以上の世代全てで、個人的にSNSを利用している人がいるとわかりました(※1)。80歳以上の方までもがSNSを利用しているのは驚きかもしれません。これは、現代においてSNSが人々の生活に深く根付いているという証拠です。

前年の同調査と比べ、ほぼ全ての年齢層においてSNSの利用率は増加しており、なかでも60〜79歳の世代でSNS利用率が大きく伸びています。「高齢者にはSNSマーケティングの効果がない」という考えは、いまや過去のものです。

上記のデータから、SNSマーケティングの手法が全世代に対して効果を発揮することは明らかです。

SNSを使って情報収集を行っている方が多い

以前は、Googleなどの検索エンジンで情報収集を行うことが主流でした。しかし現在、特に若年層ではSNSを活用した情報収集が一般的になっています。

野村総合研究所が実施した「生活者年末ネット調査」の「Z世代の“SNS疲れ”から生まれる一人行動ニーズ」によると、2021年の調査では5年前と比較して、検索エンジンを利用する10代、20代の割合が大きく減少しています。一方、その世代ではSNSから情報を得る人の割合が増加していると報告されています(※2)。

情報取得にSNSを活用しているのは、SNSで取得できる情報の新鮮さや、広告ではない「生の声」が聞けるといったメリットが評価された結果だと考えられます。今後もSNSを活用する流れは続くと予測されます。したがって、情報発信におけるSNSマーケティングの効果は、より高まってきているといえるでしょう。

SNSの情報に影響を受けて商品を購入する方が多い

SNSの情報に影響を受けて商品を購入する方が多いことも、SNSマーケティングが重要視されている理由の一つです。

実際に、マクロミルが2018年に実施した調査によると、ミレニアル世代の51%が、買い物をする際にSNSの情報に基づいて商品を購入していると回答しています(※3)。「ミレニアル世代」とは1980年代〜1995年前後に生まれ、子どもの頃からインターネットに触れて過ごした結果、情報リテラシーに優れている世代のことです。

しかし、今やミレニアル世代のみならず、全世代がインターネットやSNSを活用しています。したがって、SNSが購買意欲に与える影響は今後さらに強まると予想され、SNSマーケティングの重要性もそれに比例して高まります。

SNSを活用するメリット・デメリット

ここまで、SNSマーケティングの有用性について解説してきました。SNSをマーケティングに活用する際にはメリットとデメリットが存在します。SNSのメリット・デメリットについて十分に理解した上で、マーケティングに活用していきましょう。

SNSを活用するメリット

SNSを活用するメリットとして、コストをかけずに認知度を高められます。

X(旧Twitter)やInstagramなどの人気SNSは、基本的には利用料金が不要で、コストをかけずに認知拡大や情報発信を行うことができます。また、SNSはリアルタイムで情報を発信していける特徴があります。

即効性が必要な場合(イベントやキャンペーンの集客など)では、SNS上での広告も有効です。SNS広告はターゲティングの精度が非常に高いことで知られています。年齢や性別などのプロフィール情報に加え、行動データに基づく詳細なターゲティングを行うことで、より効果的な集客効果が見込めます。

上記のように、コストパフォーマンスの良さや集客効果の高さがSNSを活用する大きなメリットです。

SNSを活用するデメリット

SNSの活用は非常に魅力的なメリットがありますが、デメリットが存在することも忘れてはいけません。

SNS上で「情報が広く伝わる」というメリットは、「炎上」を引き起こし、企業のイメージを下げるというリスクの裏返しでもあります。誤った情報や社会的な規範に反する投稿をしてしまうと、投稿を削除したとしても、何らかの形でインターネット上に残る可能性があります。失墜した信用やイメージを払しょくするためには、膨大な時間や労力が必要です。

そのため、SNSを利用した情報発信に際しては、社会規範に照らして何をどのように発信するのか熟慮した上で、慎重な対応が求められます。

このようなデメリットを十分に理解した上で、SNSを活用していく必要があります。

自動車整備事業者がSNSマーケティングを実施する際の5つのポイント

ここまでは、SNSマーケティングの重要性やメリット・デメリットについて解説してきました。

ここからは自動車整備事業者の視点から、SNSマーケティングを効果的に実践するための5つのポイントについて紹介します。

SNSマーケティングを行う目的を設定する

SNSマーケティングは求める結果や目的によって、活用するSNSやマーケティング戦略が異なります。そのため、まずは「何のためにSNSマーケティングを行うのか」という目的を設定する必要があります。

例えば、ターゲットを「社会人10年目の比較的お金にゆとりのある自動車ユーザー」、目的を「入庫数の増加」と設定したとしましょう。このターゲット層は自分の車を他人に披露したいと考えるために、Instagramのような写真が中心のSNSを利用していると想定できます。したがって、「自社の整備事例をInstagramに投稿する」といった戦略が適切です。

このように、目的やターゲット層を明確に設定することで、最適なSNSやマーケティング戦略を導き出すことができます。

ターゲットに合わせたSNSを選択する

現代ではさまざまなSNSが存在し、それぞれのユーザー層は異なります。したがって、マーケティングに活用するSNSは、自社のターゲットとなるユーザーが多く利用するものを選ぶ必要があります。

例えば、2022年12月時点の日本で、アクティブユーザー数がもっとも多いSNSは「LINE」で、次いで「YouTube」「X(旧Twitter)」となっています。若者向けに情報を発信するなら、10代〜20代のユーザーが多い「X(旧Twitter)」や、若い女性が多く利用する「Instagram」などのSNSが適しています。一方、「Facebook」は多様な年齢層が利用しており、特に中高年層へのアプローチに秀でています。

ここからも分かるとおり、ユーザーを想定し、目的に合った最適なSNSを選ぶことが重要です。

目標達成のための重要指標(KPI)を設定する

目標達成のためにSNSマーケティングを導入する際には、他の施策と同様に、重要指標(KPI)を設定する必要があります。SNSマーケティングの場合、具体的には「フォロワー数」や「エンゲージメント数」、「コンバージョン率」などが数値化しやすい重要指標として考えられます。

「月間で自社のアカウントのフォロワーを200人にする」など、具体的な数字を用いた目標設定を行うことで、認知度がどの程度拡大したのかを視覚的に把握しやすくなります。これらの指標は、SNSを用いて簡単に管理・分析できるため、SNSマーケティングを効果的に実践することにつながります。

運営体制を整える

SNSマーケティングをうまく活用するためには、適切な運営体制を整えることが必要です。

SNSが適切に運用されないと、炎上によって企業のイメージを損なう危険性や、集客に失敗するリスクがあるためです。

そのため、SNSの運営体制を整えておくことが大切です。具体的には、SNS担当者の選任、SNS担当チームの配備、投稿内容やトーンの検討、炎上対策を盛り込んだガイドラインやポリシーの作成などが必要です。

そして、SNSは1人の担当者に依存しないことも重要です。複数の担当者が投稿内容を確認するダブルチェック体制の構築も推奨されます。これらは、SNSを適切に運用し続けるには効果的です。

ただし、厳格なマニュアルを定めてしまうと、投稿するコンテンツが単調になり、マーケティングの効果を低下させてしまう恐れがあります。最低限必要なSNSの基本ルールを理解した上で、担当者が楽しんで運用できる体制を整えることが求められます。

定期的にデータの分析・改善を行う

SNSマーケティングの運営において、定期的なデータ分析と改善は必須です。

SNSマーケティングの導入にはコストがかからないと解説しましたが、投稿を作成する社員の時間と労力は必要です。これらは人件費と見なされます。SNSマーケティングはコストが全くかからないというわけではありません。

コストパフォーマンスを最大化するため、定期的なデータ分析によって問題点の洗い出し、解決策の検討などを行う必要があります。

自社での分析・改善が難しい場合には、成果報酬型のコンサルタントを活用すれば、リスクを最小限に抑えることも可能です。

自動車整備事業者がSNSマーケティングを実施する際の注意点

前項でも解説した通り、SNSの運用は意図せず炎上につながるケースがあり、企業のイメージを損なうリスクを抱えています。

リスクを抑えるために、まずはネガティブな投稿は行わず、自社と友好な関係にある顧客の整備事例などを紹介しましょう。整備を評価していただいた事例から紹介することで、自社のイメージアップを図りましょう。

SNSの運用に慣れ、運営の体制も整ってきたら、新規の入庫獲得などの目的を設定して取り組むことが大切です。段階を経て着実にステップアップすることで、SNSの運用は成功につながります。

まとめ

今回は、自動車整備事業者も実施すべきSNSマーケティングについて、導入した場合のメリットやデメリット、運営する際のポイントや注意点について解説しました。

近年、SNSはあらゆる世代が活用しており、人々の生活に必要な存在です。SNSを活用したマーケティングの重要性は日に日に高まっており、自動車整備事業者にとっても例外ではありません。SNSの活用がまだ不十分だと感じられる方は、SNSマーケティングに取り組むことを強くおすすめします。

自動車販売、自動車整備事業者に特化した事業支援サービスを提供するビズピットでは、自動車整備工場に関するさまざまな相談を受け付けています。SNSマーケティングなどの集客に関する施策についても詳しく説明させていただきますので、ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

初回相談は無料ですので、集客にお悩みの自動車整備事業者の方は、以下からお気軽にご相談ください。

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【引用】
※1 
総務省|令和3年通信利用動向調査の結果
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf

※2 
野村総合研究所|Z世代の“SNS疲れ”から生まれる一人行動ニーズ~SNSは若年層における情報収集のメインツールにもなっている~
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2022/cc/0202_1

※3
マクロミル|ミレニアル世代のお金に関する調査。貯金意識が高く、投資や資産運用に興味あり
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000455.000000624.html

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