整備工場の売上はメンテナンスパックの導入で安定する!メリットと課題を解説

将来、個人で車を所有する人が減ると言われています。その理由として、人口の減少やカーシェアリングサービスの普及などが挙げられます。必然的に、メンテナンスが必要な自動車の台数も減っていくでしょう。

整備・修理に特化した独立系の整備工場は、今後の売り上げが減るかもしれないという不安を抱えているのではないでしょうか。このような状況を乗り越えるためには、安定した売り上げが期待できるサービスを展開する必要があります。

その取り組みのひとつとして、整備工場でもメンテナンスパックを販売することが挙げられます。メンテナンスパックを購入したユーザーは定期点検や消耗品の交換のため、定期的に整備工場を訪れます。そのため、安定した売り上げが期待できます。しかし、現状のメンテナンスパックをそのまま販売することは難しいと考えられます。

本稿では、現状のメンテナンスパックのメリット・デメリットを説明したうえで、ビズピットが検討している新しいメンテナンスパックのサービスについて解説していきます。

【目次】
1 メンテナンスパックが導入されていないために起こること
2 メンテナンスパック販売のメリット・デメリット
2-1 メンテナンスパックのメリット
3-2 メンテナンスパックのデメリット
3 まとめ

メンテナンスパックが導入されていないために起こること

車両メンテナンスのイメージ
メンテナンスパックに加入していない自動車ユーザーの入庫が多いと、どのようなことが起こるでしょうか。整備工場側の視点から見ると、二つの問題が考えられます。

一つは、入庫した自動車ユーザーが固定客として定着しにくいことです。個人の自動車ユーザーの多くは、車に異常が発生してから整備工場を訪れます。そういった自動車ユーザーは修理時のみの入庫が多く、売上も一回きりです。長期的な関係を築くことは難しいです。

もう一つは、売上につながらない余計な業務が増えることです。一例をあげると、故障した車が持ち込まれた場合、整備工場で修理をしている間の代車を手配しなければなりません。整備工場の人手不足が進む昨今、売上に直結しない業務に時間を取られるのは避けたいものです。

すなわち、メンテナンスパックを導入していないことで予防整備ができておらず、整備工場にとっては時間が余計にかかるにも関わらず、将来的な利益につながりにくいという状況になっています。

なお、自動車ユーザー側にとっても不利益があります。車が故障してから修理するのでは、定期点検をするよりも多くの費用がかかるのです。例えば、エンジンオイルの交換は数千円から10,000円ほどですみますが、この交換を怠ったことでエンジン本体が故障してしまうと、10万円から100万円もの費用がかかる可能性もあります。

整備工場が安定した売上を挙げられるようになり、自動車ユーザーの不利益もなくすためには、定期的な入庫が不可欠です。それを促す手段のひとつが、メンテナンスパックの販売です。メンテナンスパックをディーラー以外の整備工場でも販売できれば、ここで挙げた課題の解決につながります。

メンテナンスパック販売のメリット・デメリット

整備工場がメンテナンスパックを販売するメリットとデメリットを考えてみましょう(表)。

メンテナンスパックのメリット・デメリット

メンテナンスパックのメリット

・入庫数をコントロールできる
整備工場で受け入れが可能な自動車の数には限界があります。想定よりも多くの入庫があったという理由などで、入庫対応ができない場合も少なくありません。これは、本来得られるはずだった売上を逃してしまったことを意味します。

メンテナンスパックを導入していれば、ユーザーが入庫する日を事前に調整できます。繁忙期を避けて入庫してもらうことで急な入庫にも対応できるため、売上を逃すことはありません。

・売上を平準化できる
メンテナンスパックは、オイル交換や定期点検、車検などをセットにした商品です。そのため数か月に1回、必ず入庫することになります。

定期的な部品交換や整備を行うことで、売上を平準化できます。メンテナンスパックを活用しない場合に比べて、安定した売上が確保できます。

・顧客にとってなじみの店になれる
メンテナンスパックを導入すれば、ユーザーは整備工場を定期的に訪れることになります。訪問回数が増えるにつれてユーザーとの関係が深まり、ユーザーにとってのなじみの店になっていくでしょう。

そうなれば、他の商品やサービスも合わせて購入してくれるかもしれません。メンテナンスパックだけでなく、より多くの利益が得られます。

・時代の変化に合わせた投資がしやすくなる
メンテナンスパックによって売上の見通しが立てやすくなるため、安定して資金を調達できるようになります。資金調達が安定すると、設備投資の計画が立てやすくなります。

変化の早い時代において、今後は整備工場でもさまざまな投資が求められてきます。EVに対応した充電設備の設置など、ユーザーが必要とする設備を導入することで、さらに多くのユーザーを獲得できるでしょう。結果として、整備工場の経営の安定につながります。

メンテナンスパックのデメリット

・販売競争が激しい
現在、メンテナンスパックを販売しているのは主にディーラーです。そのため、ディーラーで新車を購入する際にメンテナンスパックに加入することが多いでしょう。

専業の整備工場で一般的なメンテナンスパックの販売を始めただけでは、大きな売上は期待できないでしょう。自社工場ならではのメリットを盛り込むことが大切です。たとえば、ビズピットで実施した自動車整備工場を選ぶ基準や満足度についてのアンケートによると、民間の整備工場を選ぶユーザーは、整備の信頼感を重視しています。信頼感に影響する要因の一つに「整備内容の良さ」があり、この部分をアピールすることで差別化していくことが考えられます。

なお、アンケートの結果をもとに、整備工場の経営施策に関する提言をまとめています。後日公開を予定しておりますので、ぜひご覧ください。

・定期連絡などに手間がかかる
メンテナンスパックに加入しているユーザーには、定期的に入庫してもらう必要があります。しかし、ユーザーがメンテナンスの予定を忘れてしまっていることもあります。そのため、オイル交換や定期点検の時期などに、整備工場からユーザーへ定期的に連絡する必要があります。

人手不足が進行している整備工場にとって、ユーザー一人一人に連絡をしていくのは大きな負担になります。加入者が増えれば増えるほど、その負担も大きくなります。顧客管理システムなどを活用して、業務を効率化していきましょう。

顧客管理・顧客情報の分析による優良顧客の見つけ方を解説

・期間内にメンテナンスパックを利用しなかったユーザーからのクレーム対応が必要
メンテナンスパックの加入者にパックを利用するよう周知しても、メンテナンスパックを利用しない自動車ユーザーは必ず一定数存在します。そうした自動車ユーザーからのクレーム対応が必要になる可能性があります。

クレーム対応によって、業務に関係のない時間が増えてしまうことになります。顧客管理を正しく行い、従業員の負担が増えかねないクレームを可能な限り減らす努力が必要です。

・メンテナンスパックに加入する金銭的負担がないユーザーに向けて販売する必要がある
メンテナンスパックは加入時にある程度のまとまった支払いが必要になります。従来のメンテナンスパックは自動車を購入する際に加入するため、自動車ユーザーは一度に大きなお金を支払わないといけません。

金銭面で余裕のない自動車ユーザーは、メンテナンスパックの加入を見送るでしょう。専業の整備工場で取り扱うメンテナンスパックは、そのようなユーザーに対して販売していく必要があります。

そのため、自動車ユーザーの負担を減らす工夫が必要になります。メンテナンスパックの内容を厳選し、最低限必要なものだけを選ぶという形で販売していく必要があるでしょう。

なお、メンテナンスパックに加入していないユーザーは、メンテナンスが必要になるたびに費用を支払う必要があります。結局、メンテナンスパックに加入するよりも高くつくことになるのです。

まとめ

自動車整備業界は、他の業界と比べて、市場規模が大きいです。しかし最近では、総合用品店やディーラーも専業の整備工場の顧客を取り込もうとしているため、経営環境が激化しています。専業の整備工場でメンテナンスパックを取り扱うことができれば、長期の付き合いとなる自動車ユーザーの獲得につながります。しかし、現在のメンテナンスパックをそのまま整備工場で取り扱うには難しい部分もあります。

そこでビズピットでは、新しいメンテナンスパックのサービスを検討しています。従来のメリットはそのままに、整備工場側のデメリットである拡販と管理の手間を解消し、ユーザー側のデメリットである費用負担を軽減した商品になる予定です。そのサービスを利用することで、売上の増加・平準化が実現できるでしょう。

整備工場の皆さまのご要望に応えられるサービスを提供するため、本記事の下部にアンケートフォームをご用意しました。皆さまの貴重なご意見をいただければ幸いです。いただいたご要望・ご意見をもとに、整備工場とユーザーの双方に魅力のある商品を開発していきたいと考えています。

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ビズピットでは、自動車整備事業者に向けて、特にITを用いた事業の再開発を行っております。メンテナンスパックの開発だけでなく、整備工場のお困りごとに幅広く対応しております。初回の相談は無料となっておりますので、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

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