【持続可能なガソリン・スタンド経営】自動車整備事業に進出する理由やメリット

現在、自動車整備機能を有するガソリンスタンドは、全国に1万6000件程度あり、全体の50%以上が何らかの整備事業を行っていると言われています。そして、その件数は増加傾向にあることも知られています。

この記事では、ガソリンスタンドが整備事業を展開する意義や理由、メリットについて解説します。

整備事業への展開で、持続化可能な理想のスタンド経営の可能性を考えていきます。

目次

ガソリンスタンドが自動車整備事業に進出するメリット

自動車整備事業に進出することは、さまざまなメリットがあり、変革を迫られているガソリンスタンド業界の現状に対し、一石を投じることにもつながっていきます。

収益源の多様化と財務安定性の向上

自動車整備事業の展開は、ガソリンスタンドの収益源を多様化し、経営の安定性を向上させます。

オイル交換、タイヤ交換、車検サービスなど、自動車の幅広いメンテナンス作業を提供することは、燃料販売による利益以外の収益源を増やすことに繋がります。
給油だけでなく、一度に一カ所で複数のニーズを満たすことができるため、自動車ユーザーにとっても利便性が良くなります。

また、自動車整備サービスは比較的需要が安定しており、経済状況の変動に強いという特性があります。
不況時でも比較的安定した収益を確保することができる自動車整備事業は、会社経営の安定につながります。

整備事業の展開は、収益源を多様化し、経営の安定化に大きく貢献します。

顧客ロイヤルティーとリピートビジネスの促進

自動車整備事業の展開は顧客満足度を向上させ、リピートビジネスに貢献します。

比較的近所を利用することが多いガソリンスタンドで、定期的な自動車のメンテナンスや緊急時の対応をスムーズに行うことで、顧客はその利便性と安心感を高く評価し、信頼や満足度が高まります。
また、自動車の整備を通じて顧客との接点が増えれば、必然的に関係の深化が図れ、顧客のロイヤルティー向上につながります。
ロイヤルティーの向上は、家族や友人のスタンド利用、車検や修理など、さまざまなサービスニーズに対応するリピートビジネスに繋がる、高い可能性を持っています。

整備事業の展開は、リピートビジネスに大きく貢献します。

競争優位の確保と市場での地位強化

自動車整備事業の展開は、ガソリンスタンド市場での競争力を高め地位を確立します。

複数のサービスを一度に一カ所で受けられるようになると、顧客はその便利さから他のガソリンスタンドの利用をやめる可能性が高くなります。

同時に、単なる燃料供給場所としてではなく、自動車のメンテナンスを提供する一站式サービスセンターとして顧客に認識されるようになり、他社との競争で優位にたつことができます。

また、高い技術力を顧客にアピールすることができれば、さらに信頼性が増し、顧客の囲い込みや他店との差別化にもつながります。

自動車整備事業の展開は、競争力の強化に大きく貢献します。

ガソリンスタンドが整備事業をするためには

ガソリンスタンドが自動車整備事業をするためには、多くの準備が必要です。特に自動車整備業界の制度に違反すると、社会的な罰則があるので注意が必要です。

整備士の確保

国に自動車整備工場と認められるためには、二級以上の自動車整備士資格を持つ整備士が、一つの施設に対し最低でも一人が必要です。このことは法律で決まっています。
しかし、現在自動車整備士は深刻な人材不足のため、整備士の確保はもっとも難しい課題と言えます。
また、資格を持たない社員に資格をとらせる方法がありますが、時間がかかるため計画的な採用や教育計画が必要です。

認証の取得

国に自動車整備工場として認められている整備工場のことを「認証工場」と言います。
認証を取得するためには、上述した「二級以上の資格を持つ整備士」の他、後述する設備などをそろえて、国に申請する必要がありますが、その申請手続きは簡単ではなく、時間もかかります。
専門的な知識が必要になるため、各都道府県にある「自動車整備振興会」や行政書士等に相談しながら申請するのが一般的です。

設備・工具の確保

自動車整備事業をするには、主に以下の設備が必要です。

  • ピット(スペース)
  • リフト
  • 自動車整備用工具

自動車整備用工具については、上述した認証を取得するために決められた工具(認証工具)がありますので注意が必要です。

さらに差別化するためには

自動車整備事業を行うガソリンスタンドも多くなり、競争力を高めるためには差別化を図っていく必要があります。ここでは、競争力を高めるための自動車整備サービスについて解説します。

緊急修理サービスの拡充

ガソリンスタンドでの緊急修理サービスを拡充することは、顧客の信頼を高め、競争力を強化する重要な施策です。

車のトラブルは予期せずに発生するものであり、迅速で効果的に対応できるガソリンスタンドは、顧客にとって「頼れる助け手」として高く評価されます。

例えば、エンジンの異音やバッテリー上がり、タイヤのパンクといった急なトラブルに対応できるサービスを提供することで、顧客は安心してスタンドを利用できます。

こうした緊急修理対応は、迅速さと信頼性を求める顧客のニーズに応えるものであり、リピーターの増加にもつながります。

このように、緊急修理サービスの拡充は、ガソリンスタンドのブランド価値を高め、他社との差別化を図るために非常に有効です。

最新技術の導入とトレーニング

最新技術の導入と従業員への継続的なトレーニングは、ガソリンスタンドの競争力を高め、顧客からの信頼を強化するために欠かせません。

特に、ハイブリッド車や電気自動車(EV)の普及が進む中で、こうした車両への対応ができることは、新たな市場ニーズに応えるうえで重要です。

例えば、EVのバッテリー点検サービスや、ハイブリッド車の専用整備設備を導入し、それらの技術に関するトレーニングをスタッフに提供することで、スタンドは最新の車両にも対応できます。

これにより、従来のガソリン車だけでなく、新しい車両のユーザーからも信頼を獲得しやすくなるでしょう。

このように、最新技術の導入とトレーニングの充実は、時代に対応し競争力を維持するために不可欠な戦略です。

カスタマイズされたメンテナンスプランの提供

カスタマイズされたメンテナンスプランを提供することで、顧客満足度を向上させ、リピート率を高めることが可能です。

車の使用状況や顧客の要望は多様であり、個々のニーズに応じたサービスを提供することで、顧客はより高い満足感を得られます。

例えば、毎日長距離運転するユーザーにはエンジンやオイルの点検を中心に、週末のみ車を利用するユーザーにはタイヤやブレーキの点検を重点的に行うプランを提案します。

このようなパーソナライズされたメンテナンスプランは、顧客に「自分のためのサービス」という実感をもたらし、リピート率を高めることができます。

結果として、カスタマイズされたメンテナンスプランの提供は、ガソリンスタンドの競争力向上と長期的な収益の安定に大きく貢献します。

まとめ

今回は、ガソリンスタンドが自動車整備事業を展開するメリットや必要性についてご紹介しました。近年ガソリンスタンドは逆風にさらされており、従来のガソリン販売に依存していては、十分な収益を確保することが難しくなっています。

自動車整備事業に進出することにより、ガソリンスタンドの経営面において安定を図ることが可能です。

もし、気になることがありましたら、ぜひビズピットにご相談ください。ガソリンスタンドにおける自動車整備業展開に関するご相談を、随時受け付けております。

初回相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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