日本の自動車業界では、人口減少や車離れなどの影響で、自動車を所有する人が次第に減っていくことが懸念されています。そのことから、全国に9万社以上ある自動車整備工場の中には、将来の売り上げに対して不安を感じている整備工場も多いでしょう。
こうした状況に対応するためには、安定した売り上げを確保する取り組みが重要です。安定して売り上げを上げるための仕組みの一つとして考えられるのが、自動車整備工場でメンテナンスパックの販売をすることです。
メンテナンスパックを購入したユーザーは、定期点検や消耗品の交換のために数カ月に一度、定期的に来店するようになります。自動車整備工場はユーザーと強固な関係性を作ることができ、安定した売り上げにつながるなどのメリットがあります。そのため、自動車整備工場の安定経営に効果的な施策といえるでしょう。
ただし、メンテナンスパックはディーラーを中心に、大手カー用品店やガソリンスタンドなどでも販売をしています。自動車整備工場がメンテナンスパックで差別化を図るには、さまざまな検討が必要です。この記事では、自動車整備工場でメンテナンスパックを販売することについて、どのようなメリット・デメリットがあるのか、選ばれるためには何が必要なのかを解説します。その上で、自動車整備工場向けのメンテナンスパックのサービスを3つ取り上げて比較していきます。
メンテナンスパックとは

メンテナンスパックとは、自動車の点検、修理、部品交換などの一連のサービスをパッケージとして、数カ月ごとに決められた項目を点検し、オイル交換やオイルフィルターの交換を行うサブスクリプション的なサービスプランのことです。
自動車ユーザーの多くは車のメンテナンスに対する知識がなく、どのような点検をいつ行うべきなのか、正しく理解していません。また、日頃の忙しさから、自動車の点検は最低限で済ませたいと考えています。
このように、自分で自動車の点検やメンテナンスをするのが苦手という方や、予期せぬ故障が心配な方、長距離運転などで車をよく利用する方にとって、自動車整備のプロが定期的に点検とメンテナンスを行ってくれるメンテナンスパックは、安心感があるサービスと言えるでしょう。
もちろん、ディーラーなどの車を扱う業者側にもメンテナンスパックを販売するメリットがあります。メンテナンスパックによって将来の売り上げを確保できます。加えて、ユーザーと接触する頻度が高くなるため、メンテナンス以外の売り上げが増える可能性があることもメリットです。このため、ディーラーで車を購入したり点検整備を受けたりすると、メンテナンスパックの購入を勧められます。
自動車整備工場の顧客がメンテナンスパックを利用するメリット

先述したように、ディーラーではメンテナンスパックを勧められることが多く、契約するユーザーが多くいます。自動車整備工場でも同じことが可能なのでしょうか?まずは、ユーザーがメンテナンスパックを利用するメリットについて解説します。
事故防止につながる
メンテナンスパックのサービスを利用することで、プロの自動車整備士による定期的なチェックが受けられます。
自動車は乗っているうちに部品が摩耗したり、熱の影響を受けたりして少しずつ劣化します。それに伴い故障のリスクも高まっていくものです。自動車に故障はつきものといえますが、重大な事故につながる故障は早期に発見し、対策をしておかなければなりません。
ところが、一部の車好きな人を除くほとんどのユーザーは、自分の乗っている自動車のメンテナンスが十分にできていないのが現実です。わかりやすい異常が発生しない限り、わざわざ車を自動車整備工場に持ち込んで診てもらおうとする人は少ないでしょう。その結果、ある日突然故障してしまうことになりかねません。
メンテナンスパックを利用すれば、ブレーキの劣化、タイヤの摩耗、エンジンの問題などが早期に発見できます。定期的にメンテナンスを行い、問題のある部品はその都度修理・交換されるため、事故につながる故障が発生する確率は大幅に下がります。
ディーラーが取り扱うメンテナンスパックにも、同じサービスが付随しています。しかし、自動車整備工場であればディーラーで扱うメンテナンスパックよりも格安で点検を実施できるのが強みです。
コスト削減につながる
メンテナンスパックには、エンジンオイルやオイルフィルター、ワイパーゴムといった消耗品の交換が含まれています。また、法定12カ月点検や車検がパッケージになっているプランもあります。こうしたメンテナンス作業や点検は、別々に依頼すると合計の費用がメンテナンスパックを購入した場合よりも高くなり、不経済です。メンテナンスパックを利用すると、1回の点検で複数のメンテナンス作業が行われるため、個別に行う場合よりも割安になります。
また、メンテナンスパックの契約期間は、長く設定すれば割引率も高くなります。長くサービスに加入するユーザーにとってはさらにお得だといえるでしょう。自動車に無関心な人ほど、メンテナンスにかかる費用はもったいないと考えている傾向があります。しかし、トータルで見るとコストの削減につながります。
車の価値を長く維持できる
車は長く乗っているうちに劣化しますが、定期的なメンテナンスを行い、消耗品をまめに交換していると劣化のスピードを抑えられます。逆に、定期的なメンテナンスを行っていないと、故障のリスクが非常に高くなるでしょう。
特に、エンジンオイルの交換を適切に行っていない場合は、エンジントラブルが発生しやすくなります。エンジンの故障は修理費用が高くなることが多く、50万円以上、なかには100万円近くの修理費がかかるケースも珍しくありません。車を買い替えて下取りしてもらうときも、エンジンに不具合がある場合、査定額は大きく下がってしまいます。エンジンオイルの定期的な交換は必要不可欠です。
メンテナンスパックを利用すれば、メンテナンスの記録が残るため、中古車市場での評価が高くなります。メンテナンスパックを利用することで、長く安心して車を使えるだけでなく、買い取り価格も高くなるというメリットがあります。ユーザーにとっては自動車を買い替える場合にも損することはありません。
自動車整備工場の顧客がメンテナンスパックを利用するデメリット
ここまで、ユーザーがメンテナンスパックを利用することのメリットを紹介してきましたが、デメリットとなる点についても解説します。
初期費用が高い
メンテナンスパックは通常、パッケージ料金を前払い一括で支払う必要があります。通常は8万〜20万円ほどの価格が設定されています。経済的な余裕がないユーザーにとっては、痛手と感じる費用といえるでしょう。
ただし、ローンを組んで自動車を購入した場合には、メンテナンスパックの料金をローンに含められるケースが多いため、基本的には初期費用が発生しません。また、自動車整備工場がカードによる支払いを受け付けていれば、分割払いにすることで初期費用の負担感を少なくできます。ユーザーの経済的状況にも左右されますが、メンテナンスパックのメリットを感じてもらえたのであれば、費用に関しては納得が得られるでしょう。
不必要なサービスが含まれる可能性がある
メンテナンスパックのサービス項目やメンテナンスを実施するタイミングは、一律に決められています。そのため、ユーザーにとって必要がないサービスが含まれていることもあります。例えば、ワイパーゴムの交換、タイヤのローテーションなどは、それほど自動車に乗らないユーザーであれば不要なケースも見られます。つまり、メンテナンスパックのサービスは、走行距離がそれほど長くないユーザーにとっては過剰なものです。
そこで、車の利用度合いに応じたメンテナンスパックのメニューを用意すれば、過剰整備を避けられます。メニューが増えると自動車整備工場の事務管理の負担が増えますが、費用対効果を考えてメニューの種類を増やすことを検討するとよいでしょう。
特定の自動車整備工場でしかメンテナンスができないケースがある
通常のメンテナンスパックでは、特定の自動車整備工場でのみサービスが受けられる、といった条件が設定されています。そのため、旅行先などで問題が発生した場合には、選べる自動車修理工場が限定されます。
また、メンテナンスパックは基本的に途中解約が認められていません。県外など遠隔地に引っ越したことでサービスの利用が難しくなった場合や、契約途中で売却した場合などを除き、途中解約は不可となっています。解約が認められる場合でも、解約手数料がかかることが一般的です。
このように、自動車整備工場の接客対応が悪く、ユーザーが今後利用したくないと思ったとしても解約・返金ができないため、トラブルに発展するケースもあります。こういったトラブルを避けるためにも、事前にさまざまなケースを想定して、顧客に寄り添ったルールを定めることが必要です。
利用者に選ばれる自動車整備工場のメンテナンスパックのポイント5つ
自動車整備工場でメンテナンスパックを導入する場合、どのようなサービスが求められているのかをしっかり把握しておく必要があります。ここでは、ユーザーから見て選びたくなるメンテナンスパックのポイントを5つ挙げて解説します。
コストパフォーマンスが高い
メンテナンスパックは、単に価格が安ければよいというものではありません。ユーザーの利用スタイルに合わせた内容になっている必要があります。
例えば、ユーザーが自動車を使用する頻度や走行距離、載せる荷物の量などによって故障が発生するリスクは変わってきます。リスクに対してどれほどのコストが見込まれるのかを含めてメンテナンスパックを提案できていれば、ユーザーから高い評価が得られるでしょう。
単に安価なサービスパックを勧めるのがよいわけではありません。安価なメンテナンスパックは検査項目が少ないため、自動車の利用頻度が高いユーザーにとっては、サービス内容が不足している可能性があります。故障が起これば追加で割高な修理費用が発生する可能性もあり、かえってトータルのコストがかかってしまうことにもつながります。
幅広い契約プランを選べる
メンテナンスパックに含まれている検査や交換できる消耗品は、自動車の使い方に合わせて選べるように幅広い契約プランを用意しておく必要があります。自動車の利用の仕方はユーザーによって異なります。家族構成やライフスタイル、住んでいる地域の特性など、さまざまな要素によって変わってくるためです。
そのため、メンテナンスパックに含まれているメンテナンス項目を明確にし、オイル交換やタイヤ交換、ブレーキの点検など、ユーザーの自動車に何が必要かをわかりやすく示すことが重要です。
有効期限と柔軟性の高さ
メンテナンスパックを利用するには、自動車整備工場に自動車を持っていかなければなりません。人によっては忙しくてなかなか行けなかったり、予約を忘れていたりすることもあるでしょう。ユーザーにとっては、利用できる有効期限が長く設定されているほうがありがたいと思うものです。
また、期間中に何回のメンテナンスが受けられるのかも、ユーザーの評価を分けるポイントとなります。急なトラブルや追加のメンテナンスに対する柔軟性も重要なポイントです。
さまざまな車種をメンテナンスできる
メンテナンスパックの対応車種が、自動車整備工場側の都合で限定されている場合があります。例えば、輸入車などのユーザーは、対応できるメンテナンスパックが少なく、サービスを探すのに苦労します。車種の違いに関係なく、さまざまな車種をメンテナンスできるメンテナンスパックは、顧客から選んでもらえる可能性が高いでしょう。
アフターサポートが充実している
メンテナンスパックに含まれているサービス以外にも、さまざまなサポート体制があるとユーザーにとって安心です。例えば、スタッドレスタイヤへの交換などのサービスが挙げられます。また、メンテナンスが完了した後も何らかの問題が発生した場合は、迅速かつ適切に対応してくれるかどうかも重要なポイントです。
自動車整備工場のメンテナンスパックを徹底比較
ここでは、自動車整備工場向けのメンテナンスパックに絞り、「グーメンテナンスパック」や「オートバックスメンテナンスパック」「ピットチケット」の3つを紹介します。それぞれの特徴やメニュー項目、価格などを比較してみましょう。
グーメンテナンスパック
グーメンテナンスパックは、車のメンテナンス情報を発信する「グーネットピット」に掲載している約1万4000件の自動車整備工場のネットワークを活用したメンテナンスパックです。
基本的なサービスは、6カ月ごとの故障診断とエンジンオイル交換、12カ月ごとのオイルフィルター交換と法定点検です。点検は、グーが行っている故障診断サービス「グー故障診断」で用いている車載式故障診断装置(OBD)を利用して行われ、故障診断の結果を確認して定期的なメンテナンスを受けることになります。
料金表(税込み)

コースごとのサービス内容

メンテナンスパックのメニューは、中古車コース(次回車検付・24カ月/次回車検なし・18カ月)と新車コース(次回車検つき・36カ月/次回車検なし・30カ月)の4つのパターンです。
グーメンテナンスパックを購入すると、オイル交換や定期的な点検の案内を記載したショートメールがスマートフォンに届き、Web上から予約が入れられます。ユーザーは、マイページからメンテナンスパックの作業予定や過去の履歴を確認できる仕組みです。
オートバックスメンテナンスパック
オートバックスグループメンテナンスパックは、オートバックスのグループ店舗で車検の実施または自動車を購入した顧客に向けたサービスです。エンジンオイル交換やバッテリー交換やタイヤローテーション、12カ月点検など、次の車検までに必要なメンテナンスメニューをパッケージにして提供しているサービスです。
サービスメニューとして、オイルキープコース、「お手軽」法定点検コース、「しっかり」法定点検コース、車検まで「おまかせ」コースの4つが用意されています。価格は、排気量とオイルの種類で異なります。排気量は軽自動車、小型車、中型車、大型車に区分けされ、ガソリン車のオイルは低粘度とレギュラーを選択できる仕組みです。
購入特典として購入金額相応のオートバックスポイントが付きます。
料金表(税込み)

サービスメニュー

ピットチケット
ビズピットが提供する「ピットチケット」は、対象メーカーの制限がなく、月額支払いのメンテナンスパックです。
ユーザーは、点検・整備を受けたい自動車整備工場をサイト上から選び、サービスを申し込むと点検・整備時期に電子チケットが届きます。その電子チケットを持ってサービスを申し込んだ自動車整備工場で点検・整備を受ける仕組みです。全9種類の契約プランがあり、ユーザーの自動車に合ったプランが自動で選択されます。
ユーザーはピットチケットのWeb画面からクレジットカードでチケットを購入します。自動車整備工場は半年ごとに点検・整備を行い、ビズピットがその工賃を自動車整備工場に支払います。ユーザーにとっては下記のようなメリットがあります。
● 月々の支払いとなるので負担が少ない
● 点検・整備、車検の時期を知らせてくれる
● メーカーに関わらず点検・整備が受けられる
● 整備の記録が自動で残る
● バイク向けも同じ画面で利用可能
● 利用最低期間がなくいつでもWeb上から解約可能
● 個別の点検・整備費用と比べ30%以上お得(ビズピット試算)
自動車整備工場側にも下記のようなメリットがあります。
● 入庫が安定するためユーザーと末永く関係を続けられる
● システムが自動で入庫を案内するので手間が不要
● 決済管理、購買管理が不要
例:月額3,300円プラン(税込)

価格例

整備項目は必要最低限となっており、チケットに記載以外のサービスも、別途見積りで受けることが可能です。
まとめ
自動車整備工場にとって、今後も厳しい経営環境が続くことが予想されています。ビズピットではその対策としてメンテナンスパックの導入を提案しています。
メンテナンスパックは顧客と長くお付き合いができる関係を構築でき、売り上げが平準化して売り上げの機会が増えるというメリットがあります。総合カー用品店やディーラーでは、メンテナンスパックを積極的に販売し、顧客の取り込みを図っています。一方、専業の自動車整備工場でメンテナンスパックを取り扱うには難しい場合もあり、導入が進んでいないのが現実です。
ビズピットで提案している新しいメンテナンスパックのサービス「ピットチケット」は、従来のメンテナンスパックのメリットはそのままに、自動車整備工場側のハードルとなっていた販売・管理の手間を解消する仕組みです。ユーザーにとっても一括前払いの負担をなくして月額払いとし、利用期間の制限もないため使いやすいと評判です。
「ピットチケット」の導入によって、販売・管理に手が回らずメンテナンスパックを取り入れられなかった自動車整備工場でも、そのメリットが受けられるようになります。メンテナンスパックを検討中の自動車整備事業者の方は、ぜひ「ピットチケット」の活用をご検討ください。
初回相談は無料ですので、集客についてお悩みの自動車整備工場の方は、以下からお気軽にご相談ください。
【引用】
※1 グーネット「グーメンテナンスパック」
https://www.goo-net.com/lp/search/mentepack/
※2 オートバックス「オートバックスメンテナンスパック」
https://www.autobacs.com/static_html/shp/maintenance_pack/index.html
※3 ビズピット「ピットチケット」
https://ticket.bizpit-kk.com/shop.html










