整備工場に求められる変化/予測される不具合と確実な点検の重要性

これからの自動車整備工場は、時代の流れに合わせて変化することが求められます。EVやADASのような先進自動車は、従来の自動車とは不具合現象や点検方法が異なります。さらに運転支援システムや自動ブレーキといった安全性に大きく影響する機能が搭載されるようになってきたため、保守点検がより一層重要となります。

この記事では先進自動車に対応するために、自動車整備工場がどのような施策を行うべきかご紹介します。EVがADASのような先進自動車が整備不良によって起きる影響や、どのような点検整備が必要になるかについて詳しく解説します。

目次

自動車整備工場に求められる変化

今後の自動車整備工場はITを導入し、整備技術を向上させ、生産性を上げていく必要があります。

自動車整備業界を取り巻く環境は日々変化し続けていており、その変化をもたらす大きな要因として、「整備内容の変化」と「自動車整備士の人材不足」の2点が考えられます。

整備内容の変化

近年、これまでに無い新しい車両やシステムが続々と市場に投入され、整備方法や内容が大きく変化しています。これからもその傾向は変わらないばかりか加速していく可能性が高いと言えます。

当然ながら、自動車整備工場では、急速に変化・高度化する車両やシステムについて今後もメンテナンスを実施していかなければなりません。そのためには、自動車整備士の継続的な学習とトレーニングが必要であるとともに、必要となる設備やITソフトの導入が必須です。

必要となる設備やITソフトとしては、スキャンツールや電子整備マニュアル(FAINES)、エーミングツールなどがあります。

自動車整備士の人材不足

自動車整備士の人材不足は重大な問題となっており、国土交通省や関連団体など、官民一体での取り組みが加速しているのにもかかわらず、状況は悪化の一途をたどり、問題は深刻化しています。

自動車整備士の人材不足に対応するためには、整備士一人が行う仕事量を増やし稼働率を上げること、つまり「作業の効率化」が有効な施策になります。

作業の効率化を進めるためには、ITの導入が最適です。飲食業や美容業などあらゆる業界で急速に進むIT化を、自動車整備工場でも推進しなければなりません。

具体的には、オンライン予約システムや整備工場の工程管理システム、記録簿作成システムなどが挙げられます。

このような状況から、自動車整備工場がこれからも長く健全な事業を継続するためには「IT化が必須」と言えます。

EVやADASで予測される不具合

EVやADASのような先進自動車に発生する不具合は、従来の自動車とは傾向が異なります。先進自動車には、以下のような不具合が発生することが予測されます。

バッテリーの劣化による航続距離の減少

EVは、車両に搭載された大きなバッテリーに蓄えた電気エネルギーでモーターを作動させて走行しています。しかし、EVバッテリーは充放電を繰り返すことで劣化が進行し容量が減ってしまいます

これは、スマートフォンのバッテリーの持ちが悪くなることと同様で、EVの場合では一回の充電での航続距離が短くなることにつながります。

そして、一度劣化したEVバッテリーは現在の技術では復活させることは難しく、EVの利便性を大きく落とします。

EVのバッテリーは8年もしくは16万kmの走行で、一回の充電による満充電容量が新品時と比べて70%程度に低下すると言われており、そのバッテリーの劣化を最小限に食い止めるには、定期的なEVバッテリーシステムの点検が必要です。

整備工場では顧客のEVの機能を維持するために、確実な点検を実施する必要があります。

モーターの故障による走行不能、動力性能低下

EVはエンジンのような内燃機関の代わりに、電気モーターが動力を発生させて走行しています。そのため、モーターに不具合が発生すると、走行不能や出力低下、加速不良などの不具合が発生します。

モーターは長寿命であり、どのメーカーにおいても、明確な交換時期は定められてはいませんが、使用環境やメンテナンスによって寿命が影響されることが容易に予測できるため、確実な点検整備が必要です。

また、モーターが故障した場合の修理費用は高額になることからも、点検整備は重要課題となっています。

なお、モーターに不具合症状が現れた場合は、事故や走行不能など、重大な不具合につながる可能性が高いため、早急に適切な対応をとる必要があります。

自動運転システムの故障に起因する事故

自動運転システムを構成する電子制御部品は、突然壊れてしまいます。目視や工具による点検ができないことが、メンテナンスを難しくしているためです。

アメリカでは実際に自動運転に関わる死亡事故が、2023年までに3件発生しています。日本でも、2023年10月に自動運転レベル4のシステムが主に運転する自動車が自転車に接触する事故を起こしています。

自動運転では旋回や減速などの重要な操作をシステムが行うため、安全性を保つためには自動で正確に制御できることが不可欠です。システムに異常がないか確認するためには、スキャンツール等の電子機器を用いて定期的に点検を行うことが重要です。

アプリなど通信不良によるさまざまな不具合

先進自動車は多様な機能が備えられており、中にはモバイルアプリで操作を行なうものがあります。アプリで車両を操作できることで利便性が上がりますが、不具合現象や故障診断は複雑化していきます。

実際にテスラでは、キーの代わりにスマートフォンのアプリでロックを開閉できるシステムにエラーが発生し、ドアロックの開錠ができなくなり、車に乗ることができず、立ち往生する人が多く出てしまったことがあります。

日本でも、コネクティッドカーが急激に普及していますが、それらの自動車は不具合が発生しても原因が自動車にあるとは限らず、アプリなどのシステムエラーや、通信環境まで視野に入れて診断を進める必要があります。

確実な点検整備の重要性

先進自動車も従来の自動車と同様に、定期的な点検や整備は欠かせません。
なぜなら、先進自動車は従来からある基本的なシステムや構造にプラスして、先進システムが搭載されているからです。

具体的には、タイヤやブレーキなどの一般的な点検整備作業は従来の自動車と変わりなく点検整備が必要となり、その他に、以下のような新たな項目を点検整備する必要があります。

・EVシステムなどの電気系統の点検
・センサーやカメラの点検や調整
・ソフトウエアのアップデート

従来は無かったこれらの点検を怠ると、上述した不具合につながる可能性があり、重要な点検項目となっています。

また、これらの点検項目は従来の整備方法と異なる場合が多く、整備工場や整備士は新たな知識と技術を習得する必要があります。先進自動車の高度な点検や整備を行うためには継続的に学習を行い、新しく導入されるシステムに対応できるように準備をしておく必要があります。

先進自動車は従来の自動車よりも、より確実な点検整備をすることが重要です。

自動車ユーザーの信頼獲得のために

ITの進化は自動車だけでなく、ユーザーのニーズや行動パターンも変化させています。これからの自動車整備工場が、ユーザーの信頼を獲得するために行うべき施策を解説します。

オンラインでの競争力の強化

顧客を獲得するためには、オンラインでの競争力を強化することが重要です。ユーザーが商品やサービスを探す際に、インターネットやSNSで検索することが一般的になっているためです。さらに、ホームページやSNSの印象、口コミなどがユーザーの意思決定に大きな影響を与えています。

現代のビジネスにおいてユーザーに効果的にアプローチするためには、インターネット広告やSEO・MEO対策、SNSの運用などが効果的です。

予約システムの活用

自動車整備工場も予約システムを導入し、インターネット上で予約を受けたり変更したりできるようにする必要があります。美容業界や飲食業界など、他業界では予約システムの活用が一般的になっており、電話での予約が不便と感じているユーザーがいるためです。

電話でしか予約ができないと、ユーザーにとっては整備工場のスケジュールを把握しづらく、予約できる時間も制限されるためデメリットが多くなってしまいます。予約システムの導入は今後、競争力を確保するために必須となるでしょう。

正確な点検や整備を行う技術力

自動車を正確に点検、整備できることがユーザーの信頼の土台となります。新しい技術に対応できない自動車整備工場には、ユーザーが安心して整備を任せることができないためです。

最新の設備やツールを導入し新技術に対応していることや、自動車整備士の教育と訓練を行っている体制があることを発信することで、安心感を与えることができます。また、ユーザーにとっても自動車の機能や操作が複雑になっているため、ユーザーに対して適切なアドバイスを行うことも重要です。

まとめ

これからの自動車整備工場には、変化が求められます。先進自動車の普及や自動車整備士の人材不足といった、外的要因によって大きな影響を受けているためです。

EVやADASのような先進自動車が普及することで、自動車の不具合現象や点検整備の方法が変わっていくでしょう。先進自動車は運転支援システムや自動ブレーキといった、安全性に大きく影響する機能も搭載されるため保守点検がより一層重要となります。

ITの進化は自動車だけでなく、ユーザーの行動パターンやニーズも変化させています。ユーザーの信頼を獲得していくためには、オンラインでの競争力の強化も重要となるでしょう。ビズピットは自動車のアフターサービス事業を作った経験を生かし、自動車整備工場のDXを推進しています。初回相談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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