現在、自動車整備工場では、業務の効率化を目的にさまざまな業務システムが導入されています。中には、自動車整備業界に特化した業務システムを提供する企業もあります。
しかし、既存の業務システムでは補えない業務範囲もあるため、複数のシステムを併用したり、アナログな方法で対応している現場も少なくありません。こうした課題に対し、業務の一元化を実現できる「kintone」というシステムについて解説します。この記事では、自動車整備工場におけるkintoneの具体的な活用例も交えながら、利便性について解説します。
自動車整備工場で利用される業務システム
自動車整備業界では、さまざまな業務システムが利用されています。現在主流になっている業務システムをご紹介します。
自動車整備工場で使われている業務システム
自動車整備工場向けに業務システムを提供している代表的な企業として、ブロードリーフ、DIC、プロトリオスが挙げられます。
例えば、ブロードリーフ社が提供する「Maintenance.c」は、自動車整備業界向けに特化して開発されたシステムであるため、自動車整備工場の業務に必要な機能がそろっています。顧客や車両のデータの管理、各種書類の作成などを一括して行える業務システムです。Maintenance.cはクラウド型なので、導入やアップデートが容易に行えるというメリットもあります。
このように、自動車整備工場向けの業務システムが開発されていることにより、現在の自動車整備工場では、業務システムを使って関連業務をデジタル化することが一般的になっています。
既存の業務システムではできないこと
先述したような業務システムを自動車整備工場で活用することで業務の効率化に大きく貢献しますが、全ての業務範囲に対応できるわけではありません。自動車整備に関連するサポートがメインとなるため、関連性の薄い業務には対応していないことがほとんどです。
例えば、勤怠管理などは行えないため、有給休暇の申請などをこれらのサービスから行うことはできません。足りない機能は他の業務システムを利用する必要があります。
しかし、複数の業務システムを利用すると、二重入力が必要な項目が発生するだけでなく、情報管理が煩雑になるといったデメリットがあります。あらゆる機能を1つの業務システムにまとめたい場合は、以下で紹介するkintoneを利用するのがおすすめです。
kintoneとは?
kintone(キントーン)は業務を効率化するためのアプリを自分で作成できる、ノーコードツールです。kintoneの特徴や、他の業務システムとの違いを解説します。
kintoneの特徴
kintoneとは、プログラミングの知識がなくても簡単にオリジナルアプリを作成できる業務管理システムです。通常アプリを作成するためには、プログラミングの知識と経験が必要です。しかし、kintoneはテンプレートを選択や、項目をドラッグ&ドロップするだけといった、直感的な操作で業務に適したオリジナルのアプリが作れます。
自動車整備工場でも、kintoneを効果的に活用できます。例えば、顧客や車両データの管理機能や予約管理機能、部品在庫管理機能、作業進捗管理機能といった機能を持ったアプリを一つずつ作成します。
さらに、kintoneでは作成したアプリの機能同士を連携できます。複数のアプリを作成しても、それぞれが独立していると、関連データを探したり活用したりするのが難しくなります。しかし、kintoneではそれぞれのアプリを連携させることができるため、アプリの数が増えても効率的な運用が可能です。
このように、kintoneはプログラミングの知識がなくてもアプリを作ることができ、作成したアプリで業務を効率化できるツールです。
既存の業務システムとの違い
kintoneの既存の業務システムとの最も大きな違いは、自分で業務システムを自由にカスタマイズできることです。
既存の業務システムは、機能が充実しているサービスもありますが、はじめから備わっている機能しか使うことができません。そのため、足りない機能がある場合は、他のシステムを利用するしかありません。そうなると、機能ごとに複数のシステムを使い分ける必要があります。
一方、kintoneであれば自分でアプリを作成できるため、使用過程で足りない機能が発生しても、自由にアプリを作成し、追加できます。他のアプリと連携ができるため、追加した機能が孤立することなく、柔軟な管理が可能です。
自動車整備工場は、それぞれ規模やフェーズが異なるため、業務システムに求める機能も異なります。kintoneでは、自社に合わせて柔軟に業務システムをカスタマイズできるため、過不足のないアプリを作ることができます。
kintoneを自動車整備工場で活用するには
自動車整備工場で実際にkintoneを使いこなす活用例として、整備士のスケジュール管理を行う方法をご紹介します。
自動車整備工場でのkintoneの活用例
例えばkintoneでは、整備士の作業のスケジュール管理をデジタル化できます。従来のアナログな方法では、作業予定をマグネットプレートに記入し、当日の予定をホワイトボードに並べて管理するといった方法が主流でした。
kintoneは元々スケジュール管理専用ツールではありませんが、カレンダーPlus Proというプラグインを導入することで、このようなスケジュール管理をアプリ上で行えます。アプリのカレンダー画面に作業予定を入力することで、作業予定を組み立てることができます。
さらに大型モニターを併用することで、kintoneがホワイトボードの代わりにもなります。整備工場にモニターを設置し、カレンダー画面を表示させるだけでホワイトボードのように作業予定を可視化できます。アプリで作業予定の追加や削除、変更などができ、その結果がそのままホワイトボードに反映されるため、作業計画と可視化が同時に行えます。
このようにkintoneとモニターを組み合わせることで、アナログで行っていたスケジュール管理をデジタル化できます。
アナログなスケジュール管理との比較
ホワイトボードでのスケジュール管理と、kintoneを活用した場合の違いについて解説します。
ホワイトボードを使用してスケジュールを管理するためには、作業予定を受付表などからひとつひとつ確認し、マグネットプレートなどに手書きで記入する必要があります。作業内容に加えて、お客様の氏名や車両情報、入庫日などの情報も記載しなければならず、その準備だけで多くの時間を要します。また、手作業であるため、予約の変更が発生した際も修正に手間がかかります。
一方で、kintoneでは予約受付業務とスケジュール管理業務を一括で行えます。予約受付時に顧客や車両情報を紐付けて登録することで、スケジュール管理アプリのカレンダーに反映させることができます。予約受付時点で作業予定がカレンダーに入力されるので、サービスマネージャーなどの管理者が後から細かな調整を行うだけでスケジュール管理が完結します。
このようにkintoneでスケジュール管理をデジタル化することで、作業工数を大幅に削減できます。手作業による管理は時間がかかるだけでなく、人為的なミスも起こりやすいため、現場での作業に影響を及ぼすこともあります。
kintoneでのスケジュール管理をさらに活用する
kintoneでのスケジュール管理を応用することで、より制度の高い入庫管理や評価制度を実現できます。
アナログな方法では、マグネットプレートの枚数や貼り付けておくためのスペースなどの物理的な制約が発生してしまい、直近の予定しか可視化できないというデメリットがあります。そのため、長期的な視点での管理が難しくなります。
一方で、kintoneを活用することで当日の予約情報に限らず、先の日程の予約情報も制限なく入力できるため、入庫管理が行いやすくなります。
さらに、過去の作業履歴を正確に残すことができるため、いつ、誰が、どのような作業を行ったかを確認できるようになります。これまでのホワイトボードやマグネットを使用した方法では、作業が終わった段階で情報を消してしまうため、作業履歴として残しておくことができませんでした。
kintoneで作業履歴を残すことで、それぞれの整備士の作業スピードや作業内容が可視化できるため、評価制度に反映させることが可能です。また、蓄積されたデータを入庫管理をするための分析にも活用できるため、入庫量の最適化や効率化にも寄与します。
kintoneを導入する際の留意点
kintoneを活用するためには、アプリを作る前の事前準備が非常に重要です。なぜなら、kintoneは使い方の自由度が高いため、課題や目的が曖昧な状態で始めてしまうと、機能に過不足が出てしまうからです。
必要のないアプリが増えると従業員が使いづらいだけでなく、管理が煩雑になってしまいます。また、拡張機能を使うとコストがかかるため、不要な機能にコストがかかってしまう可能性もあります。反対に機能が不足していると、生産性を最大化させることができません。
kintoneを効率良く使いこなすためには、現在の業務の課題を洗い出し、その課題を解決できる機能を持ったアプリを作る必要があります。アプリの要件定義が難しい場合は、ビズピットのサポートで解決できます。
まとめ
自動車整備工場では、業務を効率化するための多くのシステムが使われています。ブロードリーフ、DIC、プロトリオスなどの企業が自動車整備工場に特化した業務システムを提供しています。
しかし、既存の業務システムではカバーできない業務範囲も存在するため、業務を効率的に一元管理するためにはkintoneを活用するのがおすすめです。kintoneは誰でも簡単に、業務を効率化させるためのアプリを作れるシステムです。kintoneはアプリを自由にカスタマイズできるため、自動車整備工場ごとにベストな業務システムを作ることができます。
しかし、kintoneは使い方の自由度が高いため、導入時の難易度は上がります。機能に過不足のないアプリを作らないと、運用しても効果が低くなってしまうため、事前準備をしっかり行う必要があります。
ビズピットでは、kintoneを活用するためのサポートを行っています。初回相談は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。