自動車整備事業者の集客方法としては、広告の出稿が効果的です。広告は大きく分けるとオンライン広告とオフライン広告があります。どちらが自社にとって最適なのかわからないという方もいらっしゃいます。オンライン広告とオフライン広告の、それぞれの特長を理解しておかないと自社にとって最適な広告が判断できません。
本記事では、オンライン広告とオフライン広告を徹底比較し、自動車整備事業者にとって最適な広告について紹介しています。それぞれのメリット・デメリットも解説していますので、本記事から自社に合った広告を選定し、利益を最大化することに役立ててください。
オフライン広告の種類
自動車整備事業者にとって効果が見込まれるオフライン広告は、以下の6種類です。
・新聞広告
・雑誌広告
・チラシ
・ラジオCM
・テレビCM
・ダイレクトメール
オフライン広告を活用することで、オンライン広告ではアプローチできない世代にもアピールできます。最近はオンライン広告が主流であるのは事実ですが、40代以降の世代はオンラインをうまく活用できていない方も多くいます。オンライン広告だけではアプローチが行き届かないケースも少なくありません。
オフライン広告を上手に活用して、オンライン広告ではアプローチできない層を獲得しましょう。
新聞広告
特に地方紙に掲載されている広告は、特定の地域に住む人に向けられた広告であるという特長があります。一般的に、自動車整備工場は地域に住む自動車ユーザーが顧客になります。そのため、地元の新聞に広告を出すことで、顧客となりうる自動車ユーザーに対して効果的にアプローチできます。信用できる地元の自動車整備工場という立ち位置を確保するために、新聞広告は効果的です。
新聞広告は「古くさい」「効果がない」と思われがちですが、特に高齢者層に対しては2024年現在でも十分に通用します。積極的に取り入れるようにしましょう。
雑誌広告
特に自動車や機械に関する専門雑誌に広告を掲載することも、一定の効果があります。ターゲットとなる顧客層に直接アピールできるためです。自社を訪れる客層と読者層が近い雑誌を選ぶのがよいでしょう。
チラシ
チラシの配布は、低コストで実施できることが一番の魅力です。また、チラシは特定の地域に配布されるため、地域密着型の自動車整備工場にとっては効果的な広告手法です。地域ではやっている出来事や場所に関する話題を取り入れることで、地域に密着した企業であることをよりアピールでき、顧客に親近感を湧かせることができます。
ラジオCM
ラジオCMも自動車整備事業者におすすめの広告です。
運転中にラジオを聴く人も多いでしょう。ラジオで広告を流すことは、自動車ユーザーに効率よくアプローチすることにつながります。新聞広告と同じく、ラジオCMも地域を絞って配信することができるため、地域性が強い自動車整備事業者にもおすすめです。
ラジオではテレビと同じく、番組の合間にCMが流れてきます。このときに自社のCMを入れることで、顧客を獲得することが可能です。
テレビCM
テレビCMは、オフライン広告の中では最も多くの人にアプローチできる方法です。最近では、テレビを見る層が高齢化していると言われていますが、興味のある番組があれば、世代に関係なく視聴者になりえます。全国に多くの店舗を持つ自動車整備工場は、全国放送のCMが効果的です。地域密着型の企業であればローカル局でCMを打つのが効果的でしょう。
ただし、テレビCMは制作費と広告費が高いのがデメリットです。「テレビCMを出したい」と思っても、出稿するまでにさまざまなハードルがあります。広告に潤沢な予算を使用できる事業者はテレビCMを検討する価値はあると思いますが、費用対効果の見極めが必要です。
ダイレクトメール
ダイレクトメールは、特定の顧客に直接的に訴えられる方法であり、非常に効果的です。広告は間接的よりも直接伝えられる方が、成約率が高くなる傾向にあり、ダイレクトメールは他のオフライン広告に比べて、反応率が高いとされています。
自動車整備事業者がオフライン広告を実施するメリット
オフライン広告には、オンライン広告にはないメリットがあります。メリットを理解しておくことで、自社にとって最適な広告かどうかを判断できます。ここでは、オフライン広告の２つのメリットについて解説します。
地域社会に根ざした広告ができる
オフライン広告のメリットは、地域社会に根ざした広告ができることです。新聞広告やチラシは地域に密着した広告の最たる例です。自動車整備工場は、地元の顧客に工場に来てもらう必要があります。オフライン広告を積極的に利用することで、地元の顧客からの信頼を獲得しましょう。
インターネットを利用しない層にもアプローチできる
オフライン広告は、インターネットを利用しない層にもアプローチできます。高齢者などオンラインを活用することが得意ではない顧客層にも、オフライン広告であればサービスをアピールできます。
令和４年通信利用動向調査によると、高齢者層のSNS利用率は73.4%です（※１）。数年前と比較すると利用率は上がっているものの、SNSを使ったことがない高齢者は多くいます。オフライン広告はそのような高齢者層にもアプローチできるのがメリットです。商圏内に高齢者が多い地域であれば、オフライン広告は効果的といえるでしょう。
自動車整備事業者がオフライン広告を実施するデメリット
自動車整備事業者がオフライン広告を実施するデメリットは、以下の3つです。
・制作から配布まで費用がかかる
・地域やメディアの限定された範囲でしか広がらない
・効果測定がオンライン広告よりも難しい
オフライン広告のデメリットを事前に理解しておくことで、無駄な広告出稿をせずに済むでしょう。
制作から配布まで費用がかかる
オフライン広告、特にテレビCMや雑誌広告は制作コストが高く、コストに見合った効果が得られない場合があります。例えば、制作コストが300万円かかった場合、顧客一人あたりの粗利単価を5万円とすると、最低でも60人の新規顧客獲得が必要です。諸経費も考慮するとそれ以上の顧客を集める必要があります。
会社の規模にもよりますが、一度の広告で60人の新規顧客を獲得するのは難しいと言わざるをえません。市場が成熟した今の日本では、ライバル企業との新規顧客の争奪競争が起こっているためです。顧客あたりの粗利単価が広告にかかる経費に見合ったものか、見極めるようにしましょう。
地域やメディアの限定された範囲でしか広がらない
オフライン広告は、地域やメディアの限定された範囲でしか広がらないのもデメリットです。その性質上、特定の地域やコミュニティに限られた広告効果しか見込めません。例えば、チラシ広告は特定の地域で配布するものです。当然ですが、全国の顧客にアプローチするのは難しいでしょう。
しかし、特定の地域に絞ったオフライン広告は、料金が安い傾向にあります。自動車整備事業者が全国の顧客にアプローチするメリットはそれほどありませんので、費用を抑えて効果的に広告を出したい地域密着の自動車整備事業者には、チラシなどの活用がおすすめです。
効果測定がオンライン広告よりも難しい
オフライン広告は、効果測定がオンライン広告よりも難しい傾向にあります。オンラインではアクセス解析によってユーザーの属性や行動を把握できますが、オフライン広告の効果測定は限られた情報しか手に入らず、不正確です。
オンライン広告の効果測定としては、チラシ広告であれば、「配布数に対する問い合わせ数や成約数の割合」などの指標を基に判断する必要があります。オフライン広告はこうしたデータをExcelで管理しますが、オンラインに比べて非効率的です。
オンライン広告の種類
オンライン広告の種類は、以下の8つです。
・検索エンジン広告
・SNS広告
・バナー広告
・GDN広告
・動画広告
・LINE広告
・コンテンツマーケティング
・アフィリエイト広告
オンライン広告は、オフラインに比べて種類が多く、より広範囲の顧客にアプローチしやすいのが特徴です。現在では広告の主流はオンラインです。
検索エンジン広告
検索エンジン広告とは、GoogleやBingなどの検索エンジンで検索をした際に表示される広告です。例えば、Googleで「自動車整備工場 東京」で検索すると、検索結果上部に2〜3個ほどのサイトが表示されます。これが検索エンジン広告です。
広告サイトはキーワードに基づいて表示されるため、顧客が積極的にサービスや製品を探しているタイミングで表示させられるのが強みです。実際、検索エンジン広告は成約率が高い傾向があります。100人がサイトを閲覧したとしたら、そのうちの20人がサービスや製品を購入するケースも珍しくありません。
SNS広告
SNS広告とは、「TikTok・Instagram・X」などのプラットフォーム上で表示される広告です。SNS広告は、若年層に向けたサービスや製品が効果的で、リッチメディア（画像や動画）を用いたインタラクティブな広告が可能です。SNS広告はターゲット層に合わせて以下のように使い分けるのがよいでしょう。
・20〜30代の男女向けであればX広告
・10〜20代の女性向けであればInstagram広告
・10〜20代の男女であればTikTok広告
このように、世代や性別によって効果の高い広告が変わるため、ターゲットにしたい層に合わせて使い分けるのがおすすめです。
バナー広告
バナー広告は、Webサイトやブログの「上部・側面・下部」などに配置されている広告を指します。ビジュアルが強調され、一瞬で訴求ポイントを伝えられるのが強みです。
ユーザーがWebサイトやブログに訪問した際に、最も目に付く場所にバナー広告を配置すると効果的でしょう。ユーザーが興味や関心を持っている分野の広告であれば、成約につながる可能性が高くなります。バナー広告は一瞬で訴求ポイントを伝えられるため、成約率が高いという特徴があります。
GDN広告
Google Display Network（GDN）内での広告で、多くのWebサイトやアプリ上で表示されるバナー広告です。GDN広告の強みは、リターゲティングです。リターゲティングとは、Cookieを利用することで、以前に興味を持っていたユーザーに対して広告を表示できる仕組みです。潜在的な顧客に対して効果的なアプローチが可能です。
動画広告
動画広告は、YouTubeやTikTokなどのプラットフォームで流れる広告です。近年、動画サイトの利用者が増えているため、動画広告を活用することも増えてきています。動画は視覚と聴覚の両方に訴える情報を発信するため、ユーザーにインパクトを与えられるでしょう。
LINE広告
LINE広告は、メッセージアプリのLINE上で配信されている広告のことです。LINEの利用者数は、日本国内で9,500万人いるとされており、多くの人に対して効果的に広告を配信できるでしょう。
また、LINE広告ではユーザーに対してパーソナライズされたメッセージを送ることも可能です。LINE広告はユーザーとの距離を縮められ、商品やサービスの販促につながります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ブログや記事を作成して商品やサービスを直接的に宣伝する方法です。他の広告と違い、自社で実行できるため、外注しない場合はコストがほとんどかかりません。自社でコンテンツマーケティングを実施する場合は、ドメイン代とサーバー代のみで始めることができます。年間1万円ほどの費用でブログやWebサイトを運営でき、広告も掲載可能です。
また、情報提供を通じてユーザーとの信頼関係を築くことができることもコンテンツマーケティングの大きなメリットです。ユーザーにとって価値のある記事を発信し続ければ、ユーザーから信頼されます。結果として商品やサービスが売れやすくなります。コンテンツマーケティングはコストをかけずに効果的に広告を掲載できます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、他社のWebサイトやブログを通じて商品やサービスを紹介する方法です。アフィリエイト広告を活用すれば、自動車について解説しているサイトなど、自動車整備事業者に関係のあるサイトが表示されやすくなります。すなわち、自動車に興味を持っている方に効果的に広告を打つことができます。
ただし、地域に特化していないサイトの場合、全国に広告が配信されてしまうため、効果的な集客が期待できない可能性が高いでしょう。そのため、自社で通販サイトなど運営している自動車整備事業者におすすめの広告です。
自動車整備事業者がオンライン広告を実施するメリット
自動車整備事業者がオンライン広告を実施するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・細かなターゲット設定ができる
・データ解析を通じて効果測定ができる
オンライン広告のメリットを理解しておくことで、効率良く広告を打てるようになります。
細かなターゲット設定ができる
オンライン広告は、細かくターゲットを設定ができるメリットがあります。広告のターゲットを細かく設定することで、商品やサービスに興味を持っている顧客に対して直接アプローチできます。
例えば、Instagramのユーザーの中でも、車に興味を持っているユーザーだけに対して、自動車整備に関する広告を出すことが可能です。広告のアルゴリズムによって「車に興味があるアカウントに対して、自動車整備の広告を掲載する」ように振り分けてくれます。オンライン広告は特定の年齢層・興味・地域などを指定して出稿できるため、無駄な広告費を抑えつつ効果的なアプローチが可能です。
データ解析を通じて効果測定ができる
データ解析を通じて効果測定ができることもオンライン広告のメリットです。クリック数・コンバージョン率・広告費用対効果（ROAS）など、多くのKPIをリアルタイムで分析できます。
自社でWebサイトを運営している場合は、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスを導入するだけで、KPIの分析が可能です。場合によってはWebサイトの文章を変更したり、キャッチコピーに変えたりすることで、ユーザーの購買意欲を高められます。その結果、Webサイト全体のPV数やコンバージョン率の向上が期待でき、売り上げのアップにつながるでしょう。
自動車整備事業者がオンライン広告を実施するデメリット
自動車整備事業者がオンライン広告を実施するデメリットは、以下の3つです。
・多くの広告があるため目立つのが難しい
・広告の寿命が短く継続的な投資が必要
・広告の設定や解析には専門的な知識が求められる
多くの広告があるため目立つのが難しい
Web上には無数の広告が存在するため、それらの中で注目を集めることは非常に困難です。特に、TikTokなどのプラットフォームでは、「広告」と表示される動画が頻繁に流れるため、多くある広告の中から視聴者の注意を引くことが求められます。オンライン広告を活用する際には、他の広告と明確に差をつけることが不可欠です。
広告の寿命が短く継続的な投資が必要
オンライン広告は寿命が短く、継続的な投資が必要です。トレンドや消費者の行動は変わりやすく、定期的な更新と分析が必要です。特にSNSを利用しているユーザーは、トレンドに流されやすい傾向があります。6カ月前にはやっていた商品が、すでに人気が無くなっていることも珍しくありません。オンライン広告を活用する際はリサーチを常に行い、広告を定期的に更新しましょう。
広告の設定や解析には専門的な知識が求められる
広告の設定や解析には専門的な知識が求められます。プラットフォームごとの広告設定やデータ解析は複雑で、専門的な知識やスキルが必要です。
また、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを利用する際も、データの読み取り方や設定方法は専門的な知識が必要になります。そのため、広告を出稿する前に、データ解析の基礎について学んでおくことが必要です。自社で実施することが難しい場合は、外注することも検討するようにしましょう。
まとめ
本記事では、自動車整備事業者にとって最適な広告について紹介しました。オンライン広告とオフライン広告を比較した結果、オンライン広告には以下のようなメリットがあります。
・自動車を所有している方にピンポイントで広告が出せる・効果測定が容易なため広告の改善も簡単にできる
・いつでもどこでも広告を見てもらえる
もちろん、オンライン広告にアクセスできない人に対しては、オフライン広告が有効です。そのため、オンライン広告をメインにしつつ、オフライン広告を補助的に活用することが理想といえるでしょう。
効果的な広告を打つためには、専門的な知識が必要です。ビズピットでは、自動車整備事業者に最適な広告戦略についても相談を受け付けています。
初回相談は無料ですので、広告についてお悩みの自動車整備工場の方は以下からお気軽にご相談ください。
【引用】
※1 総務省「令和４年通信利用動向調査 ポイント」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000881044.pdf
