顧客管理・顧客情報の分析による優良顧客の見つけ方を解説

顧客管理とは、顧客属性情報を一元管理、分析を行うことで顧客のニーズを把握するための施策です。自動車整備事業者としても、顧客ニーズを把握するために必要な取り組みとなります。

本稿では、そんな顧客管理に関して、使用ツールや実際の分析方法について解説します。

【目次】
1 顧客管理とは?
2 ツールを活用した効率的な顧客管理
 2-1 顧客管理ツールでできること
 2-2 効率的な顧客管理が重要な理由とは?
3 顧客情報の分析方法
 3-1 デシル分析
 3-2 RFM分析
 3-3 セグメンテーション分析
4 分析した顧客情報を自動車整備事業に活かすためには?
 4-1 見込み顧客の行動履歴から優良顧客の選定を行う
 4-2 他のツールと連携したデータ活用を行う
5 まとめ

顧客管理とは?

顧客管理は、顧客の「氏名」「住所」「売上」などの基本情報を一元的に管理・分析し、単に情報を管理するだけではなく、そこから顧客が抱えているニーズや特徴を把握することで、効率的に利益を増加させるための施策に繋げるものです。

そのため、顧客管理では顧客情報を登録した後、購買履歴やマーケティング施策に対する反応などを確認し、施策をアップデートします。

顧客管理が普及した背景として、デジタル技術の発展で手軽に扱えるツールが増えたことも要因として挙げられます。

ツールを活用した効率的な顧客管理

顧客管理の基本は「顧客に関する定量・定性データの一元管理」「データ分析から利益改善のための効果的な施策実施」であり、Googleスプレッドシートなどの無料ツールを使って行うことも可能です。

顧客管理ツールでできること

前述の通り、顧客管理はGoogleスプレッドシートなどの機能でも十分カバーできます。

一方で、専用のCRMツールを使えば「メール配信機能」「各種フォーム生成機能」「外部サービスとの連携機能」なども利用可能です。メール配信機能はデータ分析と併用することで、より自動車整備工場の利用に意欲的な層に対し、効果的な施策を打つことができます。

メール配信に合わせて、資料請求やアンケート機能などを持たせることができるフォーム生成機能を活用すれば、問い合わせに繋げたり、自社のサービスに顧客の声を反映させたりできるでしょう。

効率的な顧客管理が重要な理由とは?

ツールを使った顧客管理が大切な理由として、顧客情報分析の他にも、名刺や請求書など、紙のアナログ媒体で管理していた顧客情報をデジタル媒体で管理できるようになる点が挙げられます。

そもそも、自動車整備業界は紙で情報を管理しているケースが多いのですが、紙の資料は保管にスペースが求められ、情報の参照やデータ分析に労力も必要です。そこで、ツールを活用して顧客情報を管理すれば業務効率化やマンパワーの削減が可能となり、収益改善に繋がります。

情報の電子化については、同ブログ内の別記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

※自動車整備事業者が情報の電子化を実施するメリットとは?

顧客情報の分析方法

顧客管理
顧客管理ツールを使って整理したデータは、さらに分類し、分析することで効果的に活用できます。代表的な分類・分析方法は「デシル分析」「RFM分析」「セグメンテーション分析」などです。

デシル分析

デシル分析とは、顧客の購買データを10のグループに分けて、顧客ごとのロイヤリティを算出する方法です。分析方法は、自社の顧客を使用金額ごとに10等分し、「自動車整備店全体の売上 ÷ 各グループの合計金額」で、グループごとに自社の売上の何割を占めているのかを割り出せば完了します。

デシル分析はシンプルな計算方法ですので、初心者でも実施できます。データ分析に不慣れな場合は、まずデシル分析から始めてみましょう。

一方で、「単純ゆえに分析の精度が低い」「長期間の売上データを用いると、ロイヤリティが低い顧客も上位グループに入る可能性がある」などがネックとなります。売上データから顧客を分類し自社の施策に活かしたい場合は、以下のRFM分析を活用すると、より正確にデータ分析することが可能です。

RFM分析

RFM分析とは「Recency(最終利用日)」「Frequency(利用頻度)」「Monetary(累積利用金額)」の頭文字を取った分析方法で、デシル分析以上の詳細な分析を行うことができます。

RFM分析の特徴は「Recency(最終利用日)」の概念が入っていることです。それにより、「過去に一度だけ高額利用をした顧客と、最近高頻度で利用しているものの累積金額は低い顧客が同一グループに振り分けられる」といった問題が発生することはありません。

ただし、顧客をランクごとにグループ分けする際、「Recencyはどのくらいの期間に設定するのか?」「FrequencyやMonetaryは?」など、慎重に分類方法を検討する必要があります。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析とは、ユーザーの利用金額ではなく属性ごとにグループ分けを行い、市場を分析する方法です。セグメンテーション分析で用いる変数は、以下に記載のものとなります。

・ジオグラフィック変数(地理的要因)…商圏の気候・人口密度・交通・地理的要因
・デモグラフィック変数(人口動態)…ターゲットの年齢・性別・家族構成・収入などの属性
・サイコグラフィック変数(心理的要因)…ターゲットの価値観や趣味趣向
・行動変数…ターゲットの考え方やサービス利用に至るまでのプロセス

セグメンテーション分析によって自社の商圏内に存在する顧客属性を正確に把握することで、適切なマーケティング施策が打てます。セグメンテーション分析を行う際には、「Rank(優先順位)」「Realistic(規模の有効性)」「Reach(到達可能性)」「Response(測定可能性)」の4Rも用いて、適宜分析したデータの妥当性を検証しましょう。

商圏分析については同ブログ内の別記事でより詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

自動車整備事業の収益改善に繋がる商圏分析の方法(※準備中)

分析した顧客情報を自動車整備事業に活かすためには?

見込み顧客の行動履歴から優良顧客の選定を行う

RFM分析を行った顧客データを活用すれば、見込み顧客を優良顧客に育成し、サービス利用に繋げる施策が可能です。見込み顧客ごとの行動分析データも活用し、適切なタイミングで顧客が必要としていると思われるメール配信などを行います。

優良顧客が選定できれば、利用金額の高い顧客向けのサービス考案(新サービスの優先紹介、無料洗車等)なども検討できるでしょう。優良顧客は売上獲得に要する費用が少なく顧客単価も大きいため、利益改善が見込めます

他のツールと連携したデータ活用を行う

CRM上で管理している顧客データは他のツールと連携することで、自社のビジネスをさらに加速させられます。

顧客情報のデジタル管理手法として挙げられるのは、請求書等のアナログデータをデジタル化するためのOCRツール利用や、新しくデジタルで顧客データを収集するために無料で利用可能なSquareの採用などです。Squareについては、以下の記事でより詳しく解説しています。

※Square(スクエア)導入で効率的な顧客管理を実現しよう

まとめ

顧客管理を行い、自社の顧客情報からデータ分析を行えば、新規事業の開発や既存サービスのブラッシュアップに繋げられます。自動車整備業界には、自動車整備士不足や自動車整備業務の高度化などの課題がありますので、自動車整備店としても積極的にツールを使って顧客管理を行い、効果的なマーケティング施策を打つ必要性があります。

基本的な顧客管理は無料ツールでもできますので「顧客管理は難しそう」と気負わずに、まずは簡単なところから実施してみましょう。
ビズピット株式会社は、顧客情報のデジタル化の支援や、デジタル化された顧客情報の分析による優良顧客選定のサポートを行い、自動車整備店の皆さまの利益改善に貢献します。

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

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